この道で働く上でのアイデンティティ

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勉強

作業療法士として働きながら、自分に何ができて何が足りていないのかを求めながら毎日を過ごしているOTのひよここと小兎です

ひよこなの?うさぎなの?動物いっぱい出てきてわかんないよー

兎です

私は現在精神科において作業療法士として働いているのですが、実際に作業におけるアイデンティティがなんなのかということに未だに悩んでいます

これは学生の時から養成校にいる途中くらいから悩むようになり

はじめは作業療法士になってやる!と意気込んで養成校に入学したのですが

2年次のころから実習で実際の現場で勉強させてもらうことが多くなり、それによって作業療法とは一体なんぞや?という疑問が生まれたわけです

それまでに介護職や社会福祉士として働いてた私は「支援」というものを自分の中で一括りにしてしまっていたんですね

もちろん作業療法士や理学療法士はリハビリの専門職であることはわかっているのですが

正直介護をやっている時よりも患者さんと関わる時間も短いし、かといって看護師のように医療的な行為をやっていくわけでもない、そんな中勉強する内容は医療的なものばかりで(実際は現場で理解していたらかなり役に立つ)リハビリにおける本質的なものの答えがわからなくなっていました

そして、ある実習で出会ったバイザー(指導者)によって、その不明確であったアイデンティティが少しずつですが明確になっていったのです

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作業療法の世界

それは精神科での実習の時に、バイザーに正直に「作業療法の役割や意味ってなんですか」と問うてみたのです

そしたらバイザーが「〇〇くんは、作業療法の世界って読んだことある?」というのです

私「ありません」

バイザー「そうか、作業療法士を目指す上でこの本を読んでいないのは致命的やで。これを読まずに作業療法士を目指すのは酷やわ、是非貸してあげるから読んでみ」

と、そう言うわけです

鎌倉矩子先生の「作業療法の世界」

私は答えを探すべく、必死になって読みました

実習もある中、毎日にレポートの合間に読み

その結果、少し胸のあたりがすっきりした覚えがあります

そこには、作業療法の生い立ち、発展、作業療法の誕生にいくつかの事例が載っており

さらに実践、技術、モデル論と様々なことが書いており、とても興味深い内容でした

そして、それを読んだ後は実習に対するモチベーションもあがり、養成校を卒業後臨床で働く意欲がぐんぐんと上がっていきました

私は最後のページに載っている鎌倉先生のある言葉が大好きで、そのことばをいつでも思いながら今も仕事に励んでいる次第です


役割の違い

私のアイデンティティを長々と述べることは、ただの主観にしかすぎないので、皆様はそれぞれで自分のアイデンティティを見出していってほしいのですが

ここで職種による役割の違い、つまり同じ「支援」をする中でも職種によって仕方というものが変わってくることに気づいたことを少しお話します

まず、今までやっていた介護職というもと作業療法の支援違いは

当然、専門性の違いもあるのですが、患者さんや利用者さんとの関わりの中でどう違ってくるのかということになります

介護職はいわゆるその人の生活の目的をサポートする職業です

例えば、オムツを変えたり、食事の介助をしたり、寝る準備を介助したり、お風呂にいれたりします

そして、作業療法士は生活水準を上げることが目的となってきます

つまり、目的のための手段となります

ここの違いに私は悩んでいたわけですね

手段といっても、それもサポートやん

って思うかもしれないので、一例を

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例えば、脳梗塞で片側の腕が麻痺している方がいるとします

そして、その方が食事をする時、介護職なら食事をすることを目的に、介助するわけですよね

一方で、作業療法士は食事をすることを目的に、あらゆる手段を使い食事が自身でできるようにしていくわけです

そんなことわかってるって!

思う方もいると思いますが、なぜ私がこのことで悩んでいたかというと

介護職の立場であっても、自身で食事をとれるように促すからです

「自分で食べてください」

これ介護職の人ならわかると思いますが、結構言いますよね

仕事が忙しいからほったらかしにするのではなく、できるだけ自分でできることはやってもらうということも介護の世界でも行なっていくのです
しかも、そのためには補助具も使うし、シーティングもする、頬のマッサージもするし、覚醒を上げるように促しもします

こういうこともしてきた為に、迷っていたのです

そして、それを解く鍵は知識です

介護職に知識がないとは言っていません

介護職と作業療法士の目線の違いだということです

どちらの職もその人にあった支援をするし、自分なりの根拠がある手法をとっているのですが

そこにも違いがあるんですね

お前たちよりも何百回も介助しとるわ!

この手法という部分を作業療法の目線にすることへの時間が私は本当にかかりました

養成校でも患者をベッドから車椅子へ移す(移乗)方法とか学ぶんですが

そんなこと介護職の時に毎日やっていたし、1日に20〜30回はやっていたし、夜勤の日はその倍の数はこなしていたし、それを4年半ずっとやってきたわけですよ

それを今更教えられる上に、否定されるんですからたまったもんじゃないですよ

「お前たちよりも何百回もやってきているわ!」って言いたくなりますよね

しかも移乗の仕方って介護職もきっちり習うんですよ

独自の方法じゃないんです

腰が痛くならない方法とか麻痺の人に対する介助方法とかも勉強会とか開かれるんですよ

ただ、やはり作業療法と違うところは体の仕組みの専門家ではないというところです

ここの専門知識が大きな役割の違いであり手法の違いとなるわけですね

介護職の時に「今のはなんでそういうやり方をしたの」と聞かれると、大きな疾患やわかりやすい症状がないかぎりほとんど答えられないでしょう

どういう動作の時にどういう反応がでるとか、体重移動の仕組み、アライメントの位置、代償運動等々

そういった専門要素が加わることで職種の役割という違いも出てくるわけですよね

そういったことを少しずつ理解し始めると、まだまだ作業療法士として未熟でありながらも、介護との違いを実感し、今の知識があれば介護職としてもっと有用な支援がおくれたような気にもなります

まとめ

精神科においても知識による役割の差はあると思います

なぜ今そのリハビリをするのか、それは介護職ではできないの?

という問いもたまに聞かれますが、その人がどういう状態であり、どのような作業が効果的かということは、やはり作業療法ならではの判断が必要になってくると思います

精神科の作業療法では革細工や編み物、陶芸、塗り絵、折り紙、卓球等さまざまなもの使い、患者さんがもう一度社会に戻るために心のリハビリをしています

塗り絵や折り紙って聞いたら、子供っぽいって思うかもしれませんが

ちゃんとした目的をもって提供をしているし、どういう効果があるのかというエビデンスに沿っておこなっているんですよ

提供する作業の判断も知識あってのものですね

ただ単になにか作業をしてもらってるわけではないんです

といわけで、そうやって働きながら学び、少しずつですが自分のアイデンティティを明確なものしていってる最中でございます

もし、作業療法の方が見てくれたら他にもいい本や作業について語り合いたいものです

介護職の人はおこらないでね、私も元介護職ですので介護の大変さは十二分に知っております
否定しているわけではないですからね

といったところで

ではでは

おやすみ

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