どうも、精神科に勤めて精神病についていろんな考え方が変わった、小兎です
うつ病という病気をみなさんはどのように捉えているでしょうか
心の病気、ストレスにより社会に不適合になる、ひきこもり、心が弱い
などなど色んなイメージを持たれてる人が多いと思います
しかし、これらは全て違います
私はそう思ってます
うつ病は脳の病気なんです
心が弱いとか、ストレスに弱いとか、はたまた根性がないとか思う人もいてるでしょうが
それは間違いです
うつ病とは誰しもがなる可能性のある、身近ないわゆる風邪のようなものと一緒なんです
今回はうつ病がどんな病気なのか
そう言った話をしていきたいと思います
うつ病
うつ病はどの年代の人でも発症することはありますが、とくに中年層から高齢者にかけて発症率が多いと言われています
男女比では女性の方が多いとも言われています
特性としては、真面目で神経質な方や執着しやすい人、特に周りに気を使いやすい人に多いと言われています
原因としては、環境の変化や対人でのストレスなどがあります
うつ病に罹った人のほとんどはうつ病という診断名にショックを受けたり、自分の心が弱いとか、根性がないとか、自分のせいにする事があります
しかし、うつ病にかかる、うつ病になるということはその人自身が悪いわけでは決してないんです
脳の病気
うつ病のメカニズムとしては神経伝達物質が上手く脳に伝わらないことにあるという説があります
神経伝達物質というのは、よく聞かれるノルアドレナリンやセロトニンなどがあります
それが上手く伝わらないことでうつ病を発症するのです
神経といのはシナプスという接合部分があり、その接合部分はつながっていません
神経の先から神経伝達物質が溢れ出て、次の神経に取り込まれていくのです
その連続により脳までセロトニン等が伝わるようになっています
しかし、うつ病の人は神経の先から神経伝達物質はでるものの、その先の神経に取り込まれないことがうつ病の原因だと言われているわけです
なので、心が弱いわけではなく
脳に上手く伝達物質が届かないだけなんです
そうなる原因として、ストレスや対人関係があるわけです
風邪をひくようなもの
皆さんは風邪をひいた時に自分のせいにしますか?
自身の体調管理の不届きのために風邪をひいたなんて思う人も中にはいるかもしれませんが
大抵の人は、菌が自分の中に入ったとか、寒い日が続いたからとか
そういう風にしか思わないはずです
でも、それっていわゆる体の免疫が下がってるからではないでしょうか?
免疫が弱くなってるから菌が体内に入り体が打ち勝つことが出来ずに異常をきたす
それが風邪ですよね
うつ病だってそれと一緒です
ストレスを抱えて、上手く神経伝達物質が行き届かなくなり脳に異常をきたしてるだけなんです
ただ、それだけです
風邪をひいた人が復帰した時は「病み上がりだから無理しないでね」
なんて声をかけますが
うつ病から復帰した人にも「無理しないでね」と声はかけますが、無理したらまた同じことを繰り返すんじゃないかなんて思ったりしてちょっと懸念したりしませんか?
風邪なら懸念しないけど、うつ病なら懸念する
それの違いってなに?
多分世間のイメージだと思います
「無理しないでね」とかける言葉は同じでも、印象は違うでしょう
うつ病は大病ではないんですよ
病み上がりの人をフォローするように、うつ病の人だって周りのフォローがあれば普通に働いていけます
優しさゆえの病
神経の伝達の異常になる原因としてストレスや対人関係などがあると言いましたが
うつ病の人に多い特徴は優しさです
優しさゆえに人に気を遣い、周りの目を気にして、嫌な事をいやと言えない、引き受けられた仕事は断れない
そんな人が多いと思われます
誰かの為に働き、誰かの為を思い行動する
自分の事は後回しにして、他人の手伝いを優先する
そんな日常を過ごしていれば、いつか体に異常をきたしてもおかしくないですよね
私の病院に入院してる人の中にも
仕事場の人に気を使い、家族に気を遣い、友人に気を遣い、正義感の強い真面目な人が多いです
相手の気持ちに立つ事ができ、行動できる人、相手の為を思って行動できる人
そういった心優しい人が多い事は事実です
なので、そういった優しさを心の病というのは少し違うような気がします
そして、そういう人たちはうつ病になったのは自分の度量や根性がなかったと自分を責めます
でも、実際はそんなことないんです
根性があるために頑張りすぎちゃったんです
病気だから自分とはかけ離して考える
うつ病は病気です
風邪も病気です
なのに何故かうつ病は自分を責めます
それは違います
病気だから治すんです
自分の責任によってなったわけではないから、病気と認識して自分の性格や根性とは引き離して、病気として捉え治すんです
自分とうつ病を一色単にしてしまうと余計にしんどくなるだけです
必ず自分とうつ病(病気)はかけ離しましょう
誰にだって起こりえる病気なんだから、自分を責める必要はないのです
ちゃんと治療という概念を持って、決して心を強くするなんて考えずに、治すというイメージを持つ事が大事です
確かに再発も多いですが、風邪だって一生に何度だって引きます
それと同じです
まとめ
私も精神科に勤めるまで、また精神の勉強をするまでは、うつ病に対して心の弱さという印象を持っていました
しかし、それとは違うことを私は知りました
対人関係が上手くいかなかったり、家族を亡くしたり、知人に裏切られたりすることで脳が調子を崩すだけなんです
そういった事を知ることができ、私の中で考え方はかなり変わりました
それは誰にだって起こりえるし、訪れることだからです
つまり当たり前に発症する病なのです
優しさゆえであり、気遣いの多い、とても正義感の強い
そういった性格の人がなりやすいだけなんです
そう思えば、少しはうつ病に対する考え方も変わるのではないでしょうか
気が弱いとか、心が弱いなんてものはないんです
みんな弱い部分は持っています
心の病と思わず、脳の病なんで
弱いなんて捉えなくていいんです
それがうつ病です
今回はなんとなく、うつ病の世間のイメージを少しでも変えたくこの記事を書きました
もちろんうつ病を悪く捉えていない人もいると思います
それもわかっていますが、少し伝えたかっただけです
精神病なんていう言葉がよくないんですかね
あ〜早く、仕事始まってほしいな
ではでは
おやすみ
コメント